福井の真夜中でスケーター3人が始めたバンド・あくまはさけばないのファースト・アルバムにしてマスターピース。
ヒップホップやロックやパンクやらジャンルのはざまをすいすいクルージンするように、あらゆる音楽を感覚で鳴らし放題するごきげんにかっこいい音源。
The first album and masterpiece of Devils Don’t Cry a band started by three skaters in the middle of the night in Fukui, Japan.
The band’s soundtrack is a cool and vibrant mix of hip-hop, rock, punk, and other genres that cruise along at a brisk pace, making all kinds of music with all their senses.

あくまはさけばない。その音楽性を語るには、まずヒップホップの歴史を語る必要が全く無いのである。 ジャンルが細分化された結果、情報に翻弄されてセカンドバージンになったリスナーが AmazonのカスタマーレビューをAV男優の指南書のごとくありがたがる現代に童貞が裸でAVの撮影現場に現れて仁王立ちしているかのような、 考えるよりも感じてしまった田舎者が何やら熱心に訴えかけてくるのである。
「それならば」と彼らの音楽に耳を傾けるが、これまた過去の偉大なアーティストに例えようもなく ツィートしようにもウォールに書き込もうにも自分のセンスや知識を自慢するネタにならないのである。 辛うじて「是非生で観て下さい!」とライブに誘っても、野次が飛び交うステージの彼らを観て失笑されるばかり。
彼らは一体何の為にステージに上がるのか。
私はまだその答えを見つけられずにいるのだが、彼らのライブに足を運ぶ度に何故かオーディエンスの数は増えているのである。 彼らのライブを観ている時の感覚に近いものを探してみると、工場での製造工程を見ている時や異国文化に触れた時の無表情で一点を凝視してしまうあの感覚に近いように思える。 そしてステージを観ているとヒップホップが誕生した瞬間の仲間内の悪ノリを目の前で見せられているかのような気分になるのである。 つまりそれはヒップホップがミリオンセラーであったりステイタスやスタイルでなかった頃の本当のストリートカルチャーだった頃のノリそのままという事だ。
私は彼らの音楽を例えるに相応しい過去のミュージシャンを知らない。 きっとそれはニューヨークシティの片隅に居た無名の奇才だったのだろう思う。 あくまはさけばない の音源を手に入れヒップホップ創成期を疑似体験できる機会を得た貴方は幸運なのである。 いやらしい評論は他に任せて、我々は理解できないモノが生々しく姿を変える様子を楽しもうではないか。
text : Kussie Marr (moduul 店主・The Jongha、URAMONESのドラム)
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名称: | あくまはさけばない『イメージロック』 |
番号: | INVE-53 |
媒体: | ×1枚 初回限定:織ジャケットケース アルバムのために特注で製作された、伝統技法「越前織」で作った逸品です。 制作:松川レピヤン |
TRACK: | 01. たましいがいっぱい 02. 学校 03. NYC 04. 六本足の馬 05. スクラッチ道中記 06. あみどのむこう 07. くさり 08. しびれリズム 09. バッサフライ 10. どろどろどろ 11. トマトしか思い浮かばない 12. イメージロック |

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